溺愛ドクターは恋情を止められない
天の川は渡れない
それからの私は、できるだけ人のいない時間に更衣室を使い、那美にも会わないようにした。
那美はそんな私を心配してメールをよこしたけれど、【心配しないで】と一言だけ返しておいた。
あれから私の噂はドンドン広がり、いつの間にか完全な悪者になっている。
私に話しかけてくれる那美にまで被害が及ぶのだけは避けたい。
こんなに居心地が悪くなってしまった今、別の病院の就活を始めた方がいいのかもしれないと本気で思い悩んだけれど、どうしてもできない。
今の仕事にやりがいを感じ始めたこともあるし……どうしても高原先生のことを忘れられない。
「都。ごめん、材料取ってきて」
ナースの中でも内藤さんだけは、今までと変わらず私に接してくれた。
彼女は元々サバサバとした性格だし、友達も多い。