溺愛ドクターは恋情を止められない
「難しいですよね。それも基本、私達がチェックすべきことですので、先生は診療に集中なさってください」
専門学校時代の研修の時も、病院に入ってからも、ドクターの仕事の多さには驚いた。
当直はひっきりなしに回ってくるし、食事を摂る暇もない。
その上、事務仕事まであるのだから驚きだった。
だから、できるだけ手助けしたいと思いながらも、助けてもらったのは私の方。
そんな話をしていると、湯気の立ったパスタが運ばれてきた。
「松浦って、辛いのいける?」
「はい。ほどほどには」
「じゃ、これ食ってみな」
先生は自分のパスタに乗っていたソーセージを、私のパスタの上に置いた。
結構、辛い物好きだけど……。
「わっ、辛っ!」
元々辛いうえ、熱さで一層辛みが増している。
慌ててコップに手を伸ばすけれど、一足先に、先生がヒョイッと取り上げた。