溺愛ドクターは恋情を止められない
ふたりで夜空を見上げた時、『天の川を渡るのは、簡単じゃないんだな』と彼はつぶやいたけれど……『どうしても捨てられないもの』って、なに?
もしかして彼は、私のためになにかを犠牲にしようとしているの?
「奏多さん。あのっ……私、奏多さんが悲しむのはイヤ。なにを……」
「都。今度、俺ん家来いよな。ごぎつね座、見せてやるから。それと、飯作るっていう約束も守ってくれよ」
彼は私の言葉を遮る。
それは、聞くなということ?
「都。ごめん。俺、限界。ここでちょっと眠らせて」
彼は私の肩に顔をうずめる。
「こんなところじゃ、ダメです。こっちのベッド使って」
「ん……」
一度は目を閉じた彼だけど、Tシャツを再び着ると、私のベッドに潜りこむ。
すぐに掛布団をかけようとすると……。