溺愛ドクターは恋情を止められない
「都も来るんだよ」
「えっ?」
あっという間に手を引かれ、抱き寄せられる。
「絶対安静だって、主治医が言ったでしょ?」
「……うん」
シングルのベッドでは狭すぎて落ちそうだった。
だけど、彼はそんなこと気にする様子もなく、私を抱き寄せ、目を閉じる。
「都がいてくれると、ぐっすり眠れる」
眠ったのかと思ったら、不意にキスが降ってきた。
「だから都は、なにも考えないで。ただ、俺の隣にいて」
心臓がわしづかみにされたようにキュンと痛む。
私は返事をする代わりに、彼にギュッと抱きついた。
それから彼はすぐに、スースーと規則正しい寝息をたてはじめた。
そして私は、目の前にある愛しい人の顔をまじまじと見つめ、幸せの余韻に浸る。
でも……。