溺愛ドクターは恋情を止められない

「都が元気になったら、もっと大きい部屋を借りよう」

「えっ?」

「星がきれいに見える部屋にしような」


彼の発言に呆気に取られていると、額にキスをした彼が「行ってくる」と微笑む。


「い、行ってらっしゃい」


名残惜しそうに私の頭をポンと叩いた彼は、「また来る」と言い残して去っていった。


奏多さんが行ってしまった後も、唖然として考えがまとまらない。

私、本当に彼とキス……。
思わず自分の唇に触れてみると、温かくて柔らかい彼の唇の感覚を、容易に思い出すことができる。


だけど、彼が残した意味深な言葉が気になって仕方ない。
もしかして……。


ひとつの仮説にたどり着きハッとしたけれど、確かめる術がなかった。
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