溺愛ドクターは恋情を止められない
もう、恋は始まってしまった
それからも彼は、いつも電話をくれた。
そして、時間があれば会いに来てくれた。
そうやって私達は、恋人としての甘い時間を過ごした。
まだ安静が解けない私は、出かけることもできず、互いのことを話したり、星のことを話したりするだけだったけれど、それでも十分幸せだった。
そして、あの時の言葉の意味を聞きたくてたまらなかったけど、聞くのも怖い。
結局、彼にはぐらかされてばかりで、なにも聞きだせなかった。
「復帰、大丈夫か?」
「はい」
職場復帰の前日。
日曜の日勤の前に寄ってくれた彼は、聴診器を持っていた。
脈を取ったり、傷の様子を確認したり……私の診察をして、「脳出血がなくてよかった」と安堵した。
容態も安定して、いよいよ仕事復帰が決まった。