溺愛ドクターは恋情を止められない
「都」
「はい」
「なにがあっても、俺のことを信じてついてきてくれないか?」
その時の彼の顔があまりに真剣で、心臓がドクドクと音をたてる。
そして私は、うなずくことしかできなかった。
次の日、救急に復帰した。
更衣室で私を待ち構えていた那美は、うっすらと涙を浮かべ、復帰を祝ってくれた。
彼女には、高原先生と付き合うことになったと、電話で報告をした。
『小谷先生じゃなくて?』とキョトンとしていた彼女だけど、『だから、乗り気じゃなかったのか』と妙に納得していた。
でも、まるで自分のことのように喜んでくれた。
そして……。
「都、おかえり!」
救急に顔を出すと、いち早く駆け寄ってきてくれたのは内藤さんだった。
「ただいま」
加賀さんや中川さんも、私がいない分、フル稼働して大変だったというのに、ニコニコ顔で迎えてくれた。