溺愛ドクターは恋情を止められない
第4章
永遠の約束
それからニ週間ほどして、奏多さんのアメリカ行きが正式に決定した。
そして私も、本格的に勉強を始めた。
「都、ここ違うぞ」
「はぁ、思った以上に忘れてる……」
面接や小論文だけの社会人入試もあるものの、落ちたことも考えて、一般入試対策もしなければならない。
やはり理系の得意な奏多さんは、数学の苦手な私をクスクス笑いながらも、貴重な休憩時間を私のために費やしてくれた。
「もう、医学の勉強しようか」
「でも、受からないと……」
現役のドクターが一緒にいて、医学の勉強をするには最適な環境。
だけど、その前に入試をクリアしなければ。
「これ」
彼は私にパンフレットを差し出した。
「これ……野上の看護学校、ですよね」
「うん。ここに行けばいい」
「でも、私立は学費が払えません」
公立でも奨学金をあてにしているのに、私立なんてとんでもない。