溺愛ドクターは恋情を止められない
「お疲れ様です」
初めて出会った日に、部屋までついてきてしまうことになるなんて、予想外だった。
「なにもないけど、遠慮しないで」
コンビニの袋からいくつかのお菓子を出してくれた。
定番のポテトチップス。チーズに柿の種。そしてチョコレート。
「松浦、なにがいいかわからないからさ」
辛い物から甘い物までそろっていた。
「すみません」
本来なら、ドクターを支えるのが私の仕事。
それなのに、先生に気を遣ってもらってばかりで申し訳ない。
「そんなに固くならなくていいよ。ここは病院じゃない」
その時、スマホの呼び出し音がけたたましく鳴り響き、彼の表情がキリリと変わった。
「高原です。はい。その患者なら、もう一アンプル追加して」
しばらくすると電話は終わった。