溺愛ドクターは恋情を止められない

奏多さんの隣に座ると、彼は封筒を私に差し出した。


「なんですか、これ……」


彼から受け取り、中身を取り出してみると……。


「奏多さん……」

「出すのは、俺が帰ってきてからでいい。それまで都の気持ちが変わらなければ……」

「変わるわけ、ありません」


それは、婚姻届だった。
しかも、彼の名前が記入してある。

彼への気持ちが変わるなんてこと、ありえない。
だって、こんなに好きなんだから。


「ホントは心配なんだ。都のそばにいられなくて、他の男に取られないかって……」


それはこっちのセリフ。

優秀な外科医で、容姿端麗。
それでいて清らかな心を持ち、他人の痛みのわかる人。

そんな人がモテないわけがない。
どうして私が隣にいられるのか、不思議なくらいだから。
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