溺愛ドクターは恋情を止められない

「院長が言ってました。『運命というものからは、逃れられない』って」


私達の間にどれだけ距離があろうとも、それより強い絆があればいい。


「奏多さんに出会えて、私は変わりました。過去に囚われてばかりの人生だったのに、今は未来のことばかり考えています」


彼との未来を。


「都……」


彼は私の背中に手を回し引き寄せると、額と額を重ねる。
間近で感じる彼の息づかいに、心臓がドクドクと音を立てる。


「都との未来が、俺に勇気をくれる。運命を信じて、アメリカで必死に学んでくる」

「……はい」


彼は、命を懸けて天の川を渡るなら、私に会いに行くときだけと言ってくれた。
それなら私は信じて待つだけでいい。
彼は必ず来てくれるから。


ゆっくり重なった唇が、互いの熱を伝えあう。
そして……。
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