溺愛ドクターは恋情を止められない
彼のサポートがなければ、ここまで来られなかったに違いない。
「もう、卒業までバイトはしなくていい」
「でも……」
それでは甘えすぎ。
これからもできる限り働いて、返していこうと思っていたのに。
「院長に、将来有望な看護師をつぶさないでくれよって念を押されてるんだ」
そんな……。
もちろん、院長には感謝している。
学費の一部免除があるおかげで、看護師への道を歩けているのだから。
「都。成績、トップらしいじゃないか」
「……聞いたの?」
笑顔でうなずく彼は、私の手を握る。
これほどまでにサポートを受け、わがままを許してもらっている以上、中途半端なのはイヤで、目一杯頑張ってきた。
その成果が成績に表れたのだと思う。
「トップのご褒美に、俺からの奨学金」
「奏多さん……ありがとう」
今は彼の好意をありがたく受け取ろう。
必死に学んで、彼の手助けができる様になって、恩返しをしよう。