溺愛ドクターは恋情を止められない
その晩。
彼は何度も何度も私を抱いた。
ロフトの後はバスルームで。そして、ベッドで。
まるで会えなかった時間を埋めるかのように。
あまりに激しくてぐったりしていると、同じように息を荒げている彼は、私を腕の中に誘った。
「心臓がやぶれそうだ」
「ダメ。私には治せないから」
彼の胸の傷にそっと触れると、ドクドクと激しく打ち続けている鼓動を直に感じて、驚く。
「イヤ。死んじゃ、イヤ……」
はたして、心臓のオペの経験がある人が、これほどまで心拍数をあげていいものなのか、私にはまだわからない。
「心配するな。大丈夫だよ」
「よかった……」
もう奏多さんがいない生活なんて、考えられない。