溺愛ドクターは恋情を止められない
「あっ、そうですか」
「相変わらず冷たいね、内藤ちゃんは」
夜勤明けだというのに、このテンションの高さ。
いや、夜勤明けだからこそなのかもしれない。
「おはようございます」
次にやって来たのは、女医さんだった。
「あっ、都。酒井先生だよ」
内藤さんの言っていた通り、美人という言葉がぴったりだ。
透き通るような白い肌に、大きな目。
少しウェーブのかかった長い髪をひとつに束ねている。
すごい大人っぽい雰囲気で、私とは大違いだった。
「受付の松浦都です。よろしくお願いします」
「初めまして。酒井です。これからよろしくね」
「はい」
とても柔らかい口調。
身のこなしひとつひとつが、余裕のある大人に見える。
「ほんと、美人」
酒井先生が奥のスタッフルームに行ってしまうと、思わず溜息が漏れた。