俺様王子とラブレッスン①
走って下駄箱まで降りると
ちょうど、靴を履いている瀬戸口くんの姿。
「せとっ、ぐち…くん!」
話しかけると
「………なに?」
めんどくさそうに振り向く。
「これ、どういう……ことっ?」
私が、そう聞くと
「そのまんまの意味。
もう、めんどくせぇの。
なに、男教えてもお前、全然治らねえしやっても意味ねえだろ?」
え……??
前までの瀬戸口君じゃないみたいに
冷たい目。
こ、怖いっ……。
ビクビクしてると
「ビクビクしてるんじゃ、もう
男なれできねえよ。
諦めな。じゃあね"葛西さん"」
それだけ言うと歩き出す瀬戸口くん。
葛西さんって……。
もう、心愛って
呼びたくないくらいに
嫌われちゃったの……??
私が、男の子になれないから…??
瀬戸口くんに、ビビったから…??