夏休み
―ガラッ


病室のドアが開いて、光が入ってきた。


「落ち込むなよ」

それだけ言って、
光は俺のベッドに腰かけた。


「医者が言ってた。よほど強く考えすぎて、記憶が抜けたのでしょう。って」



俺には理解出来なかった。


何故、俺のことを強く考えたんだ??


何のために…







…― 俺は、楓を…









一瞬、何かを思い出した。


昔の、記憶…??


まぁぃぃか。

一回寝よう。


「光、俺寝る」

「あんまり落ちるなよ」


光は一言だけ言って
帰った。



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