闇夜に咲く華 -舞狐録-
「殺せない…かぁ……」
感情がなければ殺せる。
いや、感情が出てしまうかもね。
あいつらの優しさに触れてしまったからかな?
父さん、母さん……
俺はわかったよ。人間は酷い奴ばかりじゃないって。
まだ、あいつらとは数日間しかいないけどなんとなく分かる。
感だけどね…
「俺も準備するかっ!!」
空をみるともう薄暗い。
「あ、そうだっ!!刀返してもらってない!!」
拷問の時に取られたままの刀。
何処かに行くときは持っていかないと落ち着かないのだ。
「土方んとこまた行かんといけんのか…」
"めんどくさいなぁ"そう呟いて俺はまた土方の部屋に向かったのだった