【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】


――げげげ。

それって、お互いに、なんだかとっても気まずくないですか?

だってほら。

一応、ここの使用目的って、はっきりしているわけだから……。

ああ――。

どうか、知り合いには会いませんように。

せっかちな職業あっせんの神様に、心ひそかに祈ってみる。

二階に上がってすぐの所にある授業員控え室。

木製のシンプルなドアの中は、何というか不思議な間取りが広がっていた。

ドアを開けてすぐに、六畳ほどの細長いフロアがあって、突き当たりにキッチンがある。

右の壁側には、冷蔵庫、冷凍庫、食器棚と調理台が並ぶ。

向かって左側は同じく六畳ほどの一段高くなった和室になっていて、壁際にずらりとスチール製のロッカーが並んでいた。

で、畳の真ん中に木目の丸いローテーブル。

たぶん、これって『ちゃぶ台』というやつだ。

床の間に小さな黒いテレビ。

その脇は、押入れになっている。

なんて言うか……

しなびた……じゃなくて、

ひなびた、旅館?



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