【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
憧れの人
「失礼しまーす」
元気に声を掛けて部屋のドアを開け、足取りも軽やかにスタスタと歩いていくスマイリー主任の後を、重い足取りで付いていく。
不動社長は、デスクのパソコンに向かって何やらタイピング中だった。
――こんな時間まで、仕事してるんだ。
なんだか、すごいなぁ。
伊達に、社長さんをやってるんじゃないんだ。
軽やかなキーボードさばきに、思わず見惚れてしまう。
「社長。篠原さん、無事に初仕事完了しましたよ」
仕事の疲れなど、みじんも感じさせない爽やかな主任の言葉に、社長は、キーボードを打ちながら眼鏡越しに少し鋭い視線をチラリと上げる。
その瞬間。
なぜか『ドキリ』と、鼓動が跳ねた。