【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
「どうかしたの?」
急に声を上げた私に、スマイリー主任が何事かと首を傾げて聞いてくる。
「え、あの、父に連絡するのを、ついうっかり忘れちゃって……」
「え? 連絡してないの?」
「はい……」
驚いたように目を丸める主任に、アハハと引きつり笑いを向けながら、私はスマホを耳に当てる。
「茉莉!? 大丈夫か!? 今どこにいるんだ!?」
電話が繋がるなり、響いてきたのは大音量の父の声。
会社の残務整理が忙しくて、このごろ午前様の父が、家に帰ったら私の姿が見えないんで、驚いて電話をしてきたのだろう。
そりゃぁそうだ。
だって、もう深夜の2時過ぎ。
こんな時間に、家を空けたことなんか今まで無かったんだから、お父さんが心配するのも無理はない。