【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
よぉーーし!
今度、茉莉特別スペシャルブレンドを、飲ませて差し上げよう。
美味しいって言ってくれると、良いなぁ。
なんて、
心密かに、そう目論む。
「でも、缶コーヒーのブラックって、苦さ倍増な感じ、しませんか?」
「苦いのが美味いんじゃないのか?」
「私は、苦いのは、苦手で……」
ダジャレを飛ばしてみればそれに気付いたのか、社長はわずかだけど口の端を上げた。
――おお、笑った!
なんだ、そうか。
一見、無表情に見えるだけで、本当に無表情なわけじゃないんだ。
その動きがあまりに微小だから、分かり辛いけど、ちゃんと、私の言うことに反応してくれている。
それは、とても、素敵な発見。
――やだ、なんだか、かなり嬉しい。
思わず、私も、自然と口の端が上がった。