【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】


エスコートとは言っても、

その様子は、まるでおぼつかない足取りの、生まれたての子馬とそれを引く飼い主のようで、イマイチ、スマートさに欠けている。

実を言えば、履きなれないハイヒールで一度ならずこけかけたので、見るに見かねた社長が、たぶん『仕方なく』手を貸してくれたのだと思う。

そして、そんな社長のありがたいお慈悲のおかげで、なんとかすっ転ばず無事に駐車場に戻った私の前には、大きな問題が立ちはだかっていた。

「……」

自分の足元と車に視線を往復させて、どうしたものかと考えを巡らせる。

このヒールの高い靴で、運転はできない。

というかさすがに自殺行為だと思う。

せっかく、トータルコーディネートしてもらったけど、背に腹は代えられない。

ここはひとつ、履きなれたマイパンプスちゃんに復職願おう。


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