【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
「え? ああ、そうじゃないですけ……」
――どっ!?
額に走るひんやりとした感触に、言葉は最後まで発することができずに勢いよく喉の奥に引っ込み、動くこともできずに私はそのまま固まった。
――な、な、なにを。
「別に、熱はないようだな」
「あ、あ、ありませんっ。手が冷たいと熱があるときに測るのに便利でいいだろうって言う、一般論を言っただけです!」
「なら、いい」
私の慌てっぷりなど気にする様子もなく、私のおでこに乗せていた手をひっこめた社長は、淡々と車をスタートさせる。
――よくない。
ぜんぜん、よくないっ。
あんまり、驚かさないでくださいっ。
……もう。
心臓が、飛び出すかと思ったじゃない。
冗談じゃなく、顔に熱がこもってしまう。