【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
次に感じたのは、少し、ヒンヤリとした手触り。
手のひらから伝わってくるのは、自分のものではない、他人の体温。
しっかりと繋がれた、幼い私の小さな手よりも一回り以上も大きくて骨太なその指先は、火照った手のひらにヒンヤリと心地好い。
次に感じたのは、色彩。
薄暗かったモノクロームの視界が、鮮やかに色彩を纏う。
上空に浮かぶのは、真っ白い満月。
照らしだされる、ひっくり返ったおもちゃ箱のような、色の氾濫。
楽しげに流れていく色鮮やかな人波を縫って、私はその人に守られるように手を引かれて、夜店を覗き込みながらそぞろ歩く。
ふいに目の端に捉えた、自分と同じくらいの年ごろの子供たちの輪の中心、そこに置かれているのは、青い水槽だった。
楽しげな歓声が、輪のあちこちで上がっている。
「あ、あれ!」