【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
てっきり、このホテルの人気スポット、
例の、展望レストランに行くのだと思っていたら、社長が向かったのは別の場所。
個人が食事をするには広すぎるそこは、たぶん、結婚披露宴やパーティなどが行われるホールの一つ。
その一角を仕切って作られた、と言っても、ゆうに二十畳くらいはありそうな広い場所だった。
部屋の真ん中に設置されているのは、余裕で十人は座れそうな大きなテーブルセット。
テーブルには、透かし模様の入った、白いレース調のテーブルクロスがかけられている。
センターには、淡い色彩でまとめられた、美しい生花。
既に、三人分のテーブルウェアがセットされている所を見ると、食事のお相手は一人のようだ。
――和室じゃなくてよかったーー。
少なくても、食事を終えた時に足がしびれて立ち上がれない、なんて事態には陥らずにすむ。
明るい要素を見い出し、少しだけ、ホッと胸をなで下ろす。