【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】


「いらっしゃいませ、祐一郎様」

私たちが部屋に足を踏み入れたとほぼ同時に姿を見せたのは、ホテルの制服を身にまとった穏やかな雰囲気を持った年配の男性で、人好きのする笑顔を浮かべて、ニコニコと挨拶をしてきた。

左胸に付けられた白いネームプレートには、『総支配人』の文字が書かれている。

総支配人自らが挨拶に訪れたこともさることながら、苗字ではなく、下の名前を呼ばれたことに、ふと走る違和感。

一方、呼ばれた社長の方は、とくにそんなことは気にしている様子もない。

「今日は、よろしく頼む。不備のないようにな」


「はい、万事承知しておりますので、ご心配なさらずにお任せ下さい。奥様も、間もなくお見えになるでしょうから、お二人とも席に付いてお待ちください」

――え?



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