【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
「俺からしてもいいけど、その場合、手加減はしないからな」
「て、手加減って……」
どんな手加減ですか!?
「さあ、どっちがいい?」
さすがに手加減なしのキスをすると宣言されては、腰が引ける。
――ああ、もうっ。
女は度胸だ。
いけ、茉莉!
意を決した私は、愉快そうに見つめる社長に顔を近づけていく。
ちょん、と唇が社長の唇に触れた瞬間、これで目的達成とばかりに反射的に身を引こうとした。
でも逆に力強い腕に引き寄せられ、その懐にすっぽりと包まれてしまった。
息遣いさえ感じるほど近くに、大好きな人の、そう自覚したばかりの人の、愛おしい顔がある。
「せっかく、自分から飛び込んできてくれたものを、そう簡単に逃がすか」
耳元に落とされる低い声音に、ただでさえ暴走気味の心臓が、さらに加速をはじめる。