【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】


ソファーに浅く腰を掛け、ピンと背筋を伸ばしてこちらにまっすぐな眼差しを向けてくる面接に臨む真剣な姿勢も好印象。

質問には緊張気味ながらも、人好きのする笑顔で答えてくる。

これならば、不特定多数の客と対応するフロント業務もこなせるだろう。

残るは、履歴書の中身だ。

手渡された履歴書の内容を上から順にチェックしていく。

住所は、以前住んでいた住所のままだった。美由紀の話では家を出なければならないとのことだったが、まだ転居はしていないようだ。

取得している資格の欄には、自動車の普通免許だけが書かれていた。

商業系の高校を出ていれば、事務仕事に必要な簿記などの資格も取れたのだろうが、茉莉は美由紀と同じ私立のお嬢様学校の出だ。

現在の茉莉が、二十歳の女子大生、それも美大生だということを考えれば、まだ自動車免許があるだけ良い方だろう。

ここまでは、特に問題はない。

問題なのは、『在学中』になっている大学のことだ。


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