【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
「給料日は毎月25日で、銀行の口座振り込みになりますので、後ほど振り込み口座番号を事務の者に伝えてください。1ケ月の試用期間の後、問題が無ければ正式採用になります」
この時点で、採用モードに入っていることを確信したのか、茉莉の顔に歓喜の表情が浮かぶ。
いちいち反応がわかりやすいんだが。
おそらく腹芸などは、死んでもできないなこれは。
「給料は時給換算で、昼勤は1000円。夜勤は1200円です。これに別途皆勤手当と交通費、その他の手当て等がつきます」
「はいっ」
茉莉は、そんなに頭を振ってめまいがしないのか? と心配になるほど勢いよくぶんぶんと頷いた。
「今は、昼勤・夜勤とも求人していますが、どうされますか?」
「夜勤で、お願いしますっ!!」
そりゃあもう、答えは決まっている、とばかりに茉莉は今日一番の笑顔で言い放つ。
『ありがとうございます!』と体全体から感謝感激雨あられオーラを発しているその様子に、思わず口元が緩んでしまう。
「では、来週の月曜から来て下さい。勤務開始は夕方五時から。初日は仕事内容の説明がありますので、三十分前に出勤して……」
そこまで言って、俺は思わず目を丸めた。
ニコニコ笑顔で面接成功を喜んでいる茉莉の鼻の穴から、たらりと赤い液体が流れ落ちるのを目撃したからだ。