【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
『実は、今日のルームメイクのローテーションに入っている森田さんから「すみませんが事情により三、四時間遅刻します」……って、俺のスマホにメールが入ってました』
森田和夫は、一年ほど前から夜勤ルームメイクで働いてもらっているパートタイマーの中年男性だ。
昼間は普通のサラリーマンで、週三日だけパートで働いているのだが、昼間の仕事の関係で遅刻してきたり突然休んだりということが時々あった。
要領が良く仕事もできるが、出勤日を減らすなり出勤時間をずらすなりして少し対策を考えないとだめだな。
『本当に遅刻しても出勤すればいいですが、森田さんの場合、なんとも言えないところがありますから。もし、今回欠勤になった場合、これはいよいよ厳しい対応をしないといけない段階ですね』
守も俺と似たような感想を漏らして、受話器の向こうでため息をはく。
「用件はわかった。事務所の方に行くからお前も顔を出してくれ」
『了解でーす』
ともかく、数時間、最悪午前二時までのピンチヒッターが必要だ。
電話を切ってちらりと茉莉の方に視線を走らせれば、ばっちり目があった茉莉は、びくりとソファの上で身をこわばらせた。
――この際、使えるものは使わせてもらうとしよう。
茉莉にとっては、仕事内容を知るいい機会だ。