【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
初仕事はバスルーム
ルームメイクの仕事は、客が帰った後の『部屋の掃除』。
回転率がさほど高くない昼間は、じっくりと隅から隅まで磨き上げる本格的な掃除をするが、回転率が高い夜は、最低限の掃除をする。
一部屋、四人一組のスタッフで、十分程度。
短時間で掃除をしなければならないが、だからと言って手を抜いていいわけじゃない。
不潔感が見えてしまったら、客は二度と足を運んではくれなくなるだろう。
ラブホテルの夜の掃除は『あくまで手は抜かずに、きっちり現状復帰』。これが基本だ。
ベッドメイクと、トイレ&洗面所周り、風呂掃除。それと備品の補充が主な仕事になる。
人員の割り当ては、ベッドメイクと部屋の掃除に二人、トイレと洗面周りに一人、そして風呂掃除に一人担当がつき、一気に掃除をしていく。
中でも、体力的にきつい仕事が風呂掃除だが、新人はまず1週間の風呂掃除を担当してもらうことにしている。
この段階で音を上げてやめる者もいるが、まあ、仕事を続けていく根性があるかどうか、初めにふるいにかけようということだ。
もし、茉莉が今日の三、四時間の風呂掃除で『もういやだ、できない』と音を上げるなら、それまでのこと。
合わない仕事を嫌々やるよりも、早々に見切りをつけてしまった方が、茉莉のためにもなるだろう。
そういう判断で、守に『特別扱いをするな』と指示を出したのだ。