【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
「いいお父さんだね」
沈黙を破ったのは、守の穏やかな声。
茉莉は、小さくうなづいた。
「はい。自慢の父です」
「ほらほら社長も、そんな仏頂面してないで、何か言ってあげたら?」
「……この顔は地だ」
ニコニコ笑顔で守に話を振られた俺は、若干ムッとしながらボソリと言う。
「それは、分かってますけどねー。少しは努力しないと、女の子にモテませんよ? せっかく地はいいのにもったいないなぁ」
「うるさいぞ、守。彼女が待ってるんだろう? お前は、さっさと家に帰れ」
しっしっ!
っと、俺の、犬を追い払うようなジェスチャーにも、気を悪くする様子もなく、
「はいはいはい。ボクは、愛しい彼女の元へ帰りますよ。それじゃ、また来週ね、茉莉ちゃん」
「はい、また、よろしくお願いします!」
しっかりと、茉莉が腰を折ってお辞儀をすれば、
守は、笑顔全開で手を振りながら、足取りも軽く社長室を出ていった。