【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
「な、なにって、どういう意味だ人聞きの悪い。別に何もしてない。ただコーヒーを入れてやっただけだ」
『え? 兄さんがコーヒーを入れたの? 茉莉じゃなくて?』
「そうだ。いつも入れて貰っているからな。たまにはいいだろう?」
『……それで、そのあとは?』
「……は?」
なんでそこを突っ込む、妹よ。
「別にいいだろうそんなこと。俺は疲れてるから、もう切るぞ」
後ろ暗いところがありまくる俺は焦って電話を切ろうとするが、美由紀はすかさず追撃をかけてくる。
『……まさか、いきなり押し倒したりしてないでしょうね?』
「ばっ、そんなワケあるか!」
言うに事欠いて、この妹は。お前は兄を犯罪者にしたいのか?
『じゃあ、うれし泣きする茉莉が可愛すぎて、思わず抱きしめちゃったとか?』
なおも追撃の手を緩めない美由紀に、大きなため息をつく。
これは、正直に言った方が早く解放してくれそうだ。
「ただ、素の俺で会話を試みただけだ。まあ、多少ショックをうけたようだったが……」
『……それか』
どれだよ、それって。