【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
エレベーターキス
チン――。
リズミカルな音を上げてエレベーターがとまる。
私は、ドアが開ききるのも待たずに、勢いよくエレベーターに体を滑り込ませた。
その時。
フワリと、ほのかな甘い香りが、鼻の奥をくすぐった。
――バラの……香水?
そう思った次の瞬間、飛び込んできた目の前の光景に、私の全身は瞬間冷凍されたサンマのように『ピキッ』と、固まった。
――え……。
えええっ!?
声を上げなかったのは、単に驚きすぎたせいだ。
本当に驚いたとき、人は、声を出せないものらしい。
エレベーターには先客が居た。
二人だ。
男女の、カップル。