【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】


「すまないが、この人を医務室に連れて行って、薫に診させてくれないか。右足首をねん挫したようだ」

「承知いたしました、お伝えします」

『さあ、こちらへどうぞ』

総支配人に逆らいがたい満面の笑顔で手を差し出された茉莉は、この場に留まることを断念したようだ。

そしてしばらくして、足首にシップと包帯を巻いてもらった茉莉は、元気に接待の場に戻ってきた。

歩き方は多少ぎこちないが、一人で歩けないほどでもないところを見ると、名医の治療は功を奏したようだ。

問題の接待はと言えば、結果は上々。

志乃さんは、素直に反応をする茉莉をいたく気に入ったようで、『ぜひまた一緒にお食事しましょうね』と、上機嫌で帰っていった。

トラブルはあったが、結果が良ければすべて善し。

茉莉には、特別ボーナスを進呈することにしよう。

だからというわけではないが、足を痛めた茉莉の代わりに、帰りは特別に俺がタクシードライバーだ。

もっとも、最初からそのつもりで茉莉には志乃さんの相伴でワインを少し飲ませているから、運転するといってもできないのだが。


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