【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
あれ?
もう、夜?
ふいに意識が浮上した私は、周囲が薄暗いことに混乱した。
次に、身体の下に柔らかい弾力を感じて、どうやらベッドに横になって眠ってしまったらしいと思考を巡らせる。
夢見が悪かったせいか、ひどく喉が渇いていた。
「お水……」
――あれれ?
なんだか、身体が動かない。
まるで抱きすくめられてるみたいに体が動かない。
「水が飲みたいのか?」
ものすごい至近距離。
ほとんど耳元から聞きなれた低音ボイスが響いてきたけど、まだ思考がはっきりしない私は、深く考えずにコクリとうなずく。
すると、なぜか枕がぐらぐらと揺れた。
あ、これ枕じゃなくて、人間の腕だ。
と思ったら、ついっと顎が上向かされて、柔らかい何かが唇に当てがわれる。
反射的に首を振って逃れようとしたら、今度は首筋が固定されて唇から冷たい水が流れ込んできた。
――あ、お水だぁ。
その水は冷たくて、とても甘い。
私は、流れ込んでくる冷たい水を、コクンコクンと喉を鳴らしてのみこんだ。
「おいし……」
「もっとか?」
「うん」
コクリとうなずけば、再び冷たくて甘い水が唇から流れ込んでくる。
ひとごこちついた私は「ふうっ」と大きく息をはいて、ゆっくりと目を開けた。
薄闇に慣れた目が、目の前にいる人の顔の輪郭をとらえ目を瞬かせる。
――あ……れ?