【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
カップルの放つ熱いオーラが、むんむんと狭い空間に充満する。
心拍上昇。
私の鼓動は、ドキドキと派手なダンスを踊った。
いくらエレベーターという個室の中でも、真っ昼間からキスシーンを演じているのは充分おかしい……と思う。
――私が乗ってきたの、気付いてるよね?
ううっ、いたたまれない。
でも気になるのが、人のサガってもので。
まさか直見する勇気はないけど、ついつい鏡になっている壁越しに見てしまう。
チラリ。
私が視線を向けた、その時。
まだキス真っ最中の男の方が、『チラリ』と視線を上げた。
ちょっと鋭い感じの綺麗な二重の黒い瞳と、鏡越しにばっちり視線がかち合う。
そして、時が止まった。
ついでに、私の息も止まる。