【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
「ずいぶんと、気が強くなったものだな。俺と付き合ってた時は、まだ何も知らない少女のような女だったのに」
落ちてくる胸を押そうとして前に出した両腕がつかまれて、頭の位置でベッドに押し付けられ、抵抗を封じられてしまう。
「どいてください。大声を出しますよ?」
「出してみればいい。このホテルは防音対策がしっかりしているから、いくら叫んでも外には聞こえないし、聞こえたところでここはラブホテルだ。誰も助けになんかこないさ」
理路整然と怖い事実を並べ立てられて、思わずうっと言葉を飲み込む。
「どいてください」
「そんなに怖い顔をしなくてもいいじゃないか。ずっと、君のことが忘れられなかったんだ」
「な、にを……」
あんな振り方をしておいて、どの口がいうのか。
「君だって、そうだろう?」
高崎さんは、そう言って耳元に口を寄せると囁くように言葉を続ける。
「女は、初めての男を忘れないものだ」
「っ!?」
心の中を羞恥心と嫌悪感がせめぎあい、それを押しのけて怒りがせりあがる。
それは、身勝手すぎる目の前の男に対する怒り。
そして、こんな男を一時でも本気で好きだった自分への怒りだ。