【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
「高崎さん、遅くなって……」
私はそこまで言って『ごめんなさい』の言葉を飲み込んだ。
なぜなら彼が、他の人物と楽しそうに談笑していたから。
彼の隣の席に座っているのは、品の良い薄いピンクのワンピースを身に纏った、ロングヘアの小柄で可愛いらしい感じの女性。
きめの細い抜けるような、白い肌。
黒目がちで、大きな瞳。
すっと通った鼻筋の下には、ピンクに色づく、可憐な唇。
綺麗に巻かれた濡れ羽色の黒髪が、彼女が動くたびに軽やかに揺れる。
清楚と、言うのだろうか。
『深窓のご令嬢』という言葉が、ぴったりくるような、そんな美しい女性だった。
――そう。
彼は、一人じゃなかったのだ。