【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
「もしかして、私から、アプローチしろって言ってる?」
「うん、言ってる」
「恋愛スキルが乏しい私にどうしろと?」
確かに以前婚約者はいたけど、だからと言って恋愛上手かと言えばそれは違う。
「食事でもデートでもいいから、ねだってみたら? 茉莉に言われれば、兄貴は断らないと思うよ」
ねだる? ねだるって、どうやるの?
経験がないから、どんなタイミングでどんなふうに言えばいいのか全くわからない。
「うーーーん」
「ほら、せっかくラブホテルが職場なんだから、一部屋貸し切ってお泊りデートとかしてみたら?」
「無理無理無理、無理だからそれ!」
お掃除する人たちが同僚のラブホテルで、私にいったい何をしろと!?
「クロスポイントが嫌なら、他のホテルでもいいじゃない? ほら、他のホテルを見て勉強したいとかなんとか言えば、兄貴もその気になるって」
確かに、勉強したいと言えば社長は連れて行ってくれそうだけど。
「それって、本当に見学だけして帰ってきても……」
「いいわけないでしょ。あの朴念仁にガンガン、アタックするの。なんなら押し倒せ。この妹が許す!」
押し倒せって……。
言ってることがだんだん過激になってるよ、美由紀ちゃん。
「あはははは……」
かくして、私は美由紀に約束させられてしまった。
『他のラブホテル見学という名のデート計画』の遂行を。