【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
「今日は、予定を変更して、これから出かけるから用意してくれ」
今まで突然予定が変わることなどなかったから、少し面食らってしまった。
「あ、はい分かりました。何を用意すればいいですか?」
「この茶封筒と、A4のクリップ・ボード、それに四色ボールペンくらいだな」
「クリップボードって、書類とか乗せて使う板みたいなのですか?」
「ああ、それだ。四色ボールペンもクリップ・ボードも事務室の机にあるはずだ」
「わかりました」
それにしても、普通のボールペンじゃなくて、なぜに四色ボールペン?
少し疑問に思いつつも隣の事務室に指示されたモノを取りに向かったら、珍しくデスクに座って何やらパソコンを操作しているスマイリー主任がいた。
「おはようございます!」
「おはよう」
さすがスマイリー主任。今日もニックネームに違わない、気持ちのいいニコニコ笑顔だ。
「これから、社長とお出かけだって?」
「はい。なんだか突然予定が変わったみたいで……」
「はいこれ、クリップ・ボードと四色ボールペン。これを取りに来たんでしょ?」
「え、なんでわかったんですか?」
今日はまだ社長とスマイリー主任は話をしてないはずだけど。
「今朝、今日は敵情視察に行くから、留守の間はよろしく頼むって電話があったからね。敵情視察にこの二種類は必須だから」
「はい……?」
敵情視察って、確か敵の陣地にスパイとして入り込んで情報を集める、みたいな意味だったと思うけど、なんで敵情視察?