【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】


 知恵って。私はしつけをされている飼い犬ですか? と少し悲しくなったけど「ありがとうございます」と一応お礼を言っておく。

 ん? ちょっと待って?

 あることに思い至った私は、助手席で身をこわばらせた。

 他のラブホテルに敵情視察……って。

 そのラブホテルに客として入るってことだよね? 

 それも社長と二人で――って。

「ええっ!? 二人でラブホテルに入るんですかっ!?」

 うううう、うそっ! 

 『あの朴念仁(ぼくねんじん)にガンガン、アタックするの。なんなら押し倒せ。この妹が許す!』

 昨日生き生きとした笑顔で私に『他のラブホテル見学という名のデート計画』を授けた美由紀のセリフが脳内を一気に駆け巡る。

「まあ、そういうことだ。一か月前に駅の近くにオープンしたラブホテルが評判がいいらしいから、しっかりチェックを頼むぞ、期待のホープ」

 私は、いつから期待のホープになったのでしょう?

 かなりご機嫌な様子で口の端をあげる運転手様の横顔を仰ぎ見れは、ちらりと愉快そうな視線が送られてきて『ひくり』と頬の筋肉が引きつった。


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