【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】


「あたりまえだろう。備品に限らず、設備類は全部実際に使ってみてチェックするのが一番正確に評価が下せる」

「ええっと、誰が……?」

 答えは分かり切っているが、一縷(いちる)の望みをかけてお伺いを立てる。

「俺とお前以外に、誰がいる?」

「そうですね……」

 分かってはいたけど、否定して欲しかったんです。

 トイレや洗面所はともかく、お風呂、入るんですか?

 まさか、二人で入るなんて言い出しませんよね?

 それに、ベッドはどうするんですか?

 二人で使って――。

 またまた妄想が暴走しそうになって頭をぶるぶると振っていたら、ぴしゃりと社長の(げき)が飛んできた。

「時間がもったいないから、次に行くぞ」

「はいっ!」

 それから、洗面所・トイレと水回りを怒涛のようにチェックして、残るはメインスペースのみ。

 最初と変わらずハイスピードで移動する社長の後に必死についていくが、悲しいかなコンパスの差はどうすることもできず、どうしても小走りになってしまう。

 敵情視察は、体力勝負。

 今日は、一つ大切なことを学んだ気がする。

 いよいよ最後の砦、メインスペースに到着。

 ここにあるのは、応接セットと古代トルコ後宮仕様のキングサイズベッドだ。

 そのまま怒涛のようにチェック開始! 

 息をつく暇もなく、チェックは最後のベッドまでハイスピードで行われ、必死でついて行った私は、心持ち息が上がってしまった。


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