【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
(3)オリエンタル風呂は魅惑の香り
既にチェック済みだから、迷うことなく狭めの通路の最奥にあるバスルームの前室の、洗面室兼脱衣所にたどり着く。
一面に貼られている大きな鏡に映る自分の顔を、まじまじと見つめた。
ほんのりと上気した頬のピンクが、目の下のクマをよけいに目立たせていて、上がっていたテンションがちょっぴり下がってしまう。
うん。
お値段がよくて迷っていたけど、今度、目をつけていたあのクマかくしのコンシーラーを買おう。
それはともかく、今はお仕事、お仕事。
ぺチリと両頬を両手で叩き、気持ちをお仕事モードに切り替えた。
まずは、お風呂の電気のスイッチをつけてバスルーム内に入る。
家のお風呂のゆうに三倍はありそうな大きな湯船は、お湯を張るのに時間がかかりそう。
そう思いながらお湯の蛇口をひねれば、怒涛のような勢いでお湯が出始めた。
これなら、髪と体を洗っているうちにお湯がたまりそうだ。
洗面所で服を脱いで、バスタオル類がセットされているカゴに畳んで入れる。
カゴは、プラスチック製ではなくナチュラル感あふれる植物素材を編んで作られていて、好印象。
プラスチック製のカゴはお掃除がしやすい反面、どうしても安っぽい感じがしてしまうのだ。