【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
あまりの気持ちよさにうっかり眠りこけそうになってハッと我に返った私は、慌ててお風呂を飛び出した。
洗面台の上に置いておいた腕時計を確認すれば、午後八時。
お風呂に入ってから三十分ほど過ぎていた。
うわぁ。
社長、待たせちゃって、怒ってないといいけど。
急いでバスタオルで体を拭くと、やたらと肌触りが良いことに気付いた。
もちろん、吸湿性も抜群で、拭いたそばから肌がさらりとして気持ちがいい。
どこのメーカーの品だろう?
タグを探して見てみると、国内の某高級ブランド名が記されていた。
バスローブも同じメーカーのもので、着心地抜群。
スゴイ。
なんというか、お客様の使い心地をいちばんに考えている、そんなホテル側の配慮が見えた気がする。
思わず感動していたら、メインルームの方から社長の声が飛んできた。
「風呂から上がったのか?」
「あ、はい! 今、髪を乾かしたら、すぐに行きます!」
声音にイラつきや怒気は感じず、ほっとしながら大きな声で答えを返した。
「バスローブは着てるのか?」
「あ、はい。とっても着心地良いでーす!」
「じゃ、今から、洗面所に行っても大丈夫だな?」
「え? あ、はい、大丈夫……」
じゃないっ!
私、バスローブの下、すっぽんぽんっ!
社長が歩み寄ってくる気配を感じて、咄嗟に脱衣かごの中に脱いであった下着を、バスタオルの下にさっと隠した。