【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
一秒。
二秒。
嫌に長く感じる冷たい沈黙の時が、三人の間に流れる。
「えっ……?」
私は、混乱の極地で、実に間抜けな声を上げた。
だって、意味が分からない。
『白紙に戻す』の言葉の意味くらいは、私にだって分かる。
分からないのは、なぜ彼がそんなことを言い出すのか、その理由だ。
『鳩に豆鉄砲状態』で固まっている私のことなどお構いなしに、高崎さんは淡々と言葉を続ける。
「彼女は、白川佳奈美さん。僕の銀行の上司のお嬢さんだ。それに……」
少し言いにくそうに口ごもったあと、高崎さんは意を決したように、信じがたい言葉を私に投げつけた。
『彼女は僕の子供を妊娠しているんだ』と。
「――は……?」
――はい?