【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
――私、なんだか、急に頭が悪くなったらしい。
なぜって、高崎さんの言っていることが、まったく、ぜんぜん理解できない――。
『僕の、上司の、お嬢さん』
『僕の、子供を、妊娠している』
『上司のお嬢さん』から、なぜ一足飛びに『僕の子供を妊娠している』になるんだろう?
いくらなんでも、はしょりすぎだ。
私は、視線を合わせようとしない高崎さんのうつむきかげんの顔を、穴があくほど見つめた。
彼の放った言葉が巨大ゴシック文字と化して、私の脳細胞を破壊しながら、ドッカンドッカンと下手くそなラインダンスを踊っている。
なんだか、クラクラとめまいがした。
――あ、息。
息をするの、忘れてた。
すうぅぅうっ。
はああぁぁっっ。
突き刺さるような沈黙を破って、私は、酸欠の錦鯉のように大きく息継ぎをした。