【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
レストランを逃げるように飛び出して、まっすぐ展望ルームのトイレを目指した。
揺れる視界が、ぐにゃりと歪む。
鼻の奥にツンと込み上げてくるモノを気合いで押し戻し、スタスタと一心不乱に目指すは、トイレの個室。
――ええい。
泣くもんか。
泣いてなんかやるもんか。
ぎゅっと、唇を噛むけれど。
気合いだけでは、止められないものがある。
ポロリ――。
紅潮した熱い頬を、涙の粒が一粒、流れ落ちた。
それが呼び水。
ポロポロ、ポロポロ、
せきを切ったように後から後から溢れ出す涙を、私には止める術がなかった。
私は、頬を拭うこともせず、トイレの個室に駆け込んだ。