【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
コンコン、コンコン。
コンコン、コンコン。
忙しなく連打される、ドアのノック音に、ハッと動きを止める。
――あ、いけない。
いったい、どのくらいトイレに、こもっていたんだろう?
「……すぐれます。ごめんなはい!」
我に返った私は、鼻をかんだ大量のトイレットペーパーを水で流して、慌ててトイレのドアを開けた。
ドアの前に立っていたのは、黒いワンピース姿のとても綺麗な、見知らぬ女性だった。
緩やかなウェーブの掛かった色素の薄い髪が、フワフワと揺れる。
白い耳朶に光るのは、紅いピアス。
――あれ? この人。
脳裏を過ぎる既視感に、一瞬、私は動きが止まる。
「あなた、大丈夫?」
「え……?」
心配そうな眼差しで顔を覗き込まれて、思わずどぎまぎしてしまう。