【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
美しい女(ひと)
「あ……れ?」
やたら懐かしい夢から覚めたとき、私は自分がどこにいるのか分からなかった。
白い天井に白い壁の、白いトーンの部屋。
微かに漂うのは、甘い花の香り。
病院?
でも、病院とは何かが違う。
白い天井には立体的な花の模様が浮き上がっているし、壁紙にもセンス良い模様が入っている。
何となく漂う『高級感』。
それが、そう感じさせるのかもしれない。
「あら、気がついた? 気分はどうかしら?」
涼やかな声が聞こえた。
その声は、トイレの女性の声に似ている気がした。
私は、声のした方、右の枕元にゆっくり視線を巡らせる。
――やっぱり、そうだ。
髪は後ろでアップにしていて、黒いタイトなワンピースの上には白衣を羽織っているけど、間違いなくトイレの女性。
彼女の綺麗なアーモンド型の二重の瞳が、心配そうに私を見つめていた。